マネジメント - 基本と原則 [エッセンシャル版]

¥2,100円
著者:P・F. ドラッカー 販売:ダイヤモンド社
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経営の本質を衝いた書
「もしドラ」のヒットで再び脚光を浴びたドラッカー。別に言い訳しなくてもいいのだが、僕がこの本を買ったのは「もしドラ」ヒットの1〜2年前だ。

韓国にいたときは会社で勤務中でも優秀な部下達が営業を担ってくれていたので、僕の出る幕はなく、インターネットで日経BPのサイトを見ては座学していた。そこで経営を学ぶ書として紹介されていたのがこの本と、本田宗一郎「俺の考え」。すぐにこの2冊を買って、「俺の考え」はすぐ読んだが、この本は長らく積ん読だった。

買って2年ぶりに初めて読んだこの本、さすがに評判が高いだけある。あらゆるマネジメントの課題を抑えてあり、しかも断言調で簡潔に教えてくれる。

たとえば、
『成果を中心に考える』
「 組織においてもっとも重要かつもっとも困難な問題は、長年真摯に働いてきたがもはや貢献できなくなった者の処遇である。帳簿係として働いていた者が、組織の成長に伴い五〇歳で経理担当役員になったものの、仕事をこなせなくなる。人は変わらないのに、仕事が変わってしまった。だが、ずっと真摯に働いてきた。
 そのような真摯さに対しては、真摯さをもって報いなければならない。だからといって、その者を担当役員にしておくべきではない。彼の無能は組織を危うくするだけではない。士気を低下させ、マネジメントへの不信を生む。
 クビにするのはまちがいである。正義と礼節にもとる。マネジメントの真摯さを疑わせる。組織の精神というものを大切にするマネジメントは、この種の問題を慎重に扱う。」

果たしてこのこと十二分に理解し、この通り対処している会社が世の中に一体何社あることか。多くの会社は、実務担当だったときの功労のご褒美として上がりに役員のポジションを差し出す。しかし、プレイヤーとして優秀な人が経営陣として優秀とは限らない。そういう人を役員にしてしまうトップマネジメントは、下々からその見識を疑われる。

『行動すべきか否か』
「 その指針とは、次の二つである。
(1)行動によって得られるものが、コストやリスクよりも大きいときには行動する。
(2)行動するかしないかいずれかにする。二股をかけたり妥協したりしてはならない。」

このように冷静に判断できるトップマネジメントを冠する会社は世間に一体何社あるか?

『科学としての姿勢』
「 経営科学がなぜまちがって使われているかを解くもう一つの鍵は、リスクに対する態度にある。経営科学は、その文献においても、企業活動への適用においても、最終目標としてリスクをなくすことや最小にすることに力を入れている。
 企業活動からリスクをなくそうとしても無駄である。現在の資源を未来の期待に投入することには、必然的にリスクが伴う。まさに経済的な進歩とは、リスクを負う能力の増大であると定義できる。リスクをなくす試みはもちろんのこと、リスクを最小にする試みさえ、リスクを非合理的で避けるべきものとする考えが底にある。だがそのような試みは、最大のリスクすなわち硬直化のリスクを冒しているといわざるをえない。(後略)」

その意味では、計画の見直し、見直しで一年の三分の二を使い、営業に営業をさせないどこかの会社のマネジメントは硬直化のリスクを冒しているといわざるをえない。

最後に、大企業に次の言葉を捧げよう。
『大企業のマネジメント』
「 トップマネジメントの人間が、もはや自社の中心的な人間を個人的に知ることのできない企業は、規模に関するかぎり最終段階に達したといえる。
 大企業はフォーマルな組織構造を適切につくりあげなければならないし、その組織構造は明快でなければならない。全員が目標、優先順位、戦略を知らなければならない。組織内における自らの位置と、他の人間との関係を知らなければならない。さもなければ、官僚組織に堕し、成果をあげるよりも慣例守ることに汲々とし、手続きを生産性と取り違えるようになる。
 大企業は高度に構造化され、複雑で、しかもフォーマルである。機動性を欠く。したがって、大企業は、原則として、小さな事業、成功しても中くらいの事業にさえ育ちそうにないものには手を出すべきではない。
 大企業のマネジメントには、小さな事業に必要な感覚がない。大企業は小さな事業を理解できない。したがってまちがった決定を行う。だが大企業といえども、革新を行うには冒険的な事業には手をつけなればならない。新しいものは、常に小さなものから始まる。」
2010-09-07
マネージメントの基礎編
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マネージメントの基礎を学ぶには面白いと思った。

しかし実際実行可能かはかなり疑問。

楽しませる本のイメージが強いと思う。
2010-08-26
もしドラ効果
『もしドラ』を読んで購入。
流行にのった形だが、普遍的な言葉が多数。
当分は手放せない1冊となるだろう。
2010-08-21
日々懸命に働いている一般社員こそ読んで欲しい
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マネジメントというお堅い題材とは裏腹に、心に響く本です。

仕事と労働は違う。
組織は人の長所を生かすためにある。
企業の目的は利潤を得ることではない・・・など。

仕事をしながら感じる、さまざまな根本的な問いに明確に答えてくれるのが本書です。
マネジメントというと管理職が読むべき本と思われがちですが、本書は日々悩みながらも懸命に働いている一般社員が読んでこそ価値のある本だと思います。

トップマネジメントについての章など、一般社員には良く分からない部分もありますが、いきなり全てを腹落ちさせなくてもいいと思って読み飛ばしてもいいと思います。
また何年後か、自分が成長した時に読み返せばまた違った部分が心に響くのだと思います。
2010-08-21
力強い文体、強い確信
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 『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』を読み、その原典に手を伸ばした格好だ。引用されていたドラッカー氏の文章は、贅肉のない、力強い文体で書かれていた。この特徴は引用された箇所のみならず、全文を通して、貫かれている。ドラッカー氏の確信の強さが窺える。

仕事のためではなく成果のために働き、贅肉ではなく力をつけ、過去ではなく未来のために働く能力と意欲を生み出さなければならない。

 〈イノベーション〉、マネジャーの役割、〈コミュニケーション〉と小見出しをつけ、それぞれ、その一部を紹介し、私のレヴューに替えさせていただくこととする。

【イノベーション】

既存の製品の新しい用途を見つけることもイノベーションである。イヌイットに対して凍結防止のためとして冷蔵庫を売ることは、新しい工程の開発や新しい製品の発明に劣らないイノベーションである。それは新しい市場を開拓することである。凍結防止用という新しい製品を創造することである。技術的には既存の製品があるだけである。だが経済的には、イノベーションが行われている。

(前略)社会の問題を事業上の機会に転換するための最大の機会は、新技術、新製品、新サービスではなく、社会の問題の解決すなわち社会的なイノベーションにある。事実、成功を収めた企業の秘密は、そのような社会的イノベーションにあった。

イノベーションとは、科学や技術そのものではなく価値である。組織のなかではなく、組織の外にもたらす変化である。イノベーションの尺度は、外の世界への影響である。したがって、イノベーションは常に市場に焦点を合わせなければならない。

 〈イノベーション〉、〈外の世界への影響〉、で連想するのは、芭蕉の「古池や」の句だ。蛙が飛び込んだ水の音。蛙が生み出したのは音だけではなかった。波紋を発生させた。〈一石を投じる〉という言葉があるが、芭蕉は、蛙を水の中に飛び込ませることで、イノベーションという名の〈一石を投じ〉た。芭蕉にしてみれば、池とは市場だった。……などというのは、口から出まかせである。

既存事業においては、いまいる場所から行こうとする場所へと仕事を組織する。これに対しイノベーションにおいては、行こうとする場所からいましなければならないことへと仕事を組織する。

変化ではなく沈滞に対して抵抗する組織をつくることこそ、マネジメントにとって最大の課題である。(略)あらゆる兆しから見て、来るべき時代はイノベーションの時代だからである。

【マネジャーの役割】

(前略)マネジャーは、自らの資源、特に人的資源のあらゆる強みを発揮させるとともに、あらゆる弱みを消さなければならない。これこそ真の全体を創造する唯一の方法である。

【コミュニケーション】

コミュニケーションは受け手の言葉を使わなければ成立しない。受け手の経験に基づいた言葉を使わなければならない。言葉で説明しても通じない。経験にない言葉で話しかけても理解されない。知覚能力の範囲外にある。

(前略)同じ事実を違ったように見ていることを互いに知ること自体が、コミュニケーションである。

2010-08-11
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